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【世界文化遺産登録5周年記念】天草・潜伏キリシタンのまなざし 新発見の古文書も展示!

2024.01.22

※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご了承ください。

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世界文化遺産登録5周年

天草の﨑津集落」が長崎の各構成資産と共に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」としてユネスコの世界文化遺産に登録されてから5年が経ちました。

17世紀から19世紀の2世紀以上にわたるキリスト教禁教政策の下で、ひそかに信仰を伝えた人々の歴史を物語る他に例を見ない証拠です。
「天草の﨑津集落」は潜伏キリシタンが禁教期に何を拝んで信仰を実践していたのかを示しています。

つながる企画展初開催

5周年を記念して天草キリシタン館と天草ロザリオ館では「潜伏キリシタンのまなざし ー禁教と祈りー 」が開催中です。

新たに発見された古文書をもとに、天草崩れ以前以後の新事実、2つの企画展にご来場いただくと、潜伏キリシタンと幕府の関係性が見えてくる!という内容になっています。 (天草市立キリシタン資料館【天草キリシタン館・天草ロザリオ館・天草コレジヨ館・﨑津資料館みなと屋】では4館をお得に巡ることができる「周遊観覧券」を販売中。)

企画展の概要

この企画展では、熊本大学の資料調査により新たに見つかった潜伏キリシタンに関する文書等から、禁教期おける天草の潜伏キリシタンの管理実態や天草崩れ(キリシタン発覚事件)以降のキリシタンの動向などについて紹介しています。 (皆さんも天草のキリシタン史を学んでみませんか。)

開催期間

12月7日(木曜日)~令和6年2月26日(月曜日)

場所

展示会場1:天草キリシタン館(天草市船之尾町19-52)
展示会場2:天草ロザリオ館(天草市天草町大江1789)

展示内容

第1章 「禁教社会と天草〜類族の定義」
第2章 「天草崩れ〜「異宗」信仰者の誕生」
第3章 「天草崩れの果てに〜合足組の結成」
※第1章はキリシタン館、第2章・第3章はロザリオ館で展示

休館日

天草キリシタン館:毎週火曜日
天草ロザリオ館:毎週水曜日

入館料

各館・大人300円、高校生200円、小・中学生150円
※通常の入館料で常設展と企画展を観覧可

公式サイト

天草キリシタン館

潜伏キリシタンのまなざし

潜伏キリシタンのまなざし 2つの展示会場のご紹介と新発見の古文書とは?

天草キリシタン館:歴史に触れる旅の扉

天草キリシタン館(写真提供:天草宝島観光協会)

天草キリシタン館は1966年に開館した天草で最も古い資料館です。
この館では、「天草キリシタン史」「南蛮文化の伝来と天草」「島原・天草の乱」「乱後の天草復興とキリスト教信仰」という4つのゾーンに分けて、天草の豊かな歴史を紹介しています。

天草キリシタン館の展示は、単なる歴史の紹介に留まらず、訪れる人々に当時のキリシタンたちの生活や信仰の深さを感じさせます。

館内には、当時のキリシタンたちが使用していた日用品や宗教的な品々が展示されており、彼らの日常と信仰の世界に思いを馳せ、天草のキリシタンたちの生きた証を直接感じることができます。
この館は、天草のキリシタン歴史を学び、感じるための貴重な場所と言えるでしょう。

名称

天草キリシタン館

所在地

〒863-0017
熊本県天草市船之尾町19-52

TEL

0969-22-3845

公式サイト

https://hp.amakusa-web.jp/a0905/Oshirase/Pub/Shosai.aspx?AUNo=8106&Pg=1&St=0&OsNo=260

天草ロザリオ館:隠された信仰、時を超える物語

天草ロザリオ館

天草ロザリオ館はキリシタンの歴史や文化に関する貴重な資料が展示されており、訪れる人々にその時代の信仰の生きた証を感じさせます。

興味深い展示物のひとつに「経消しの壺」があります。仏教のお経を封じ込めるためのもので、葬儀の時、潜伏キリシタンのリーダーが別の部屋に控え、仏教のお経に合わせて隠れ言葉を唱えながら、お経を壺の中に封じ込め死者を送っていたそう。

また、そのほか館内には背中に十字架が書かれたマリア観音、ひそかにオラショ(お祈り)を唱えていた隠れ部屋が復元されており、見ていてとても興味深い展示物が多く、楽しんで天草の潜伏キリシタンの歴史を学ぶことができます。

展示されている古文書や宗教美術品は、潜伏キリシタン時代の貴重な資料で、過去のキリシタンたちの生活と彼らの信仰心を今に伝える大切な資源です。

名称

天草ロザリオ館

所在地

〒863-2801
熊本県天草市天草町大江1749

TEL

0969-42-5259

人間模様がわかる!新発見の古文書

今回発見された古文書は1805年に起こった事件「天草崩れ」の後に書かれた潜伏キリシタンに関する文書です。

この文書からは「天草とキリシタンの関係というのは島原・天草一揆以降も延々と続いて、実際当時の人(庄屋たち)は潜伏キリシタンをどう思っていたのかということを今回の資料から明らかにできるのでは」と言われています。

公文書以外の私的な文書として発見されたことが非常に珍しく、天草崩れ後の混とんとした社会状況が読み取れる、歴史的景観を示す資料と期待されています。ぜひ訪れて、あなたなりに新たな潜伏キリシタン像を想像してみるのも良いかもしれません!

潜伏キリシタンを深堀!﨑津集落の一緒に訪れたい関連おすすめスポット

﨑津教会:海辺の祈り、﨑津の歴史を照らす

﨑津教会(写真提供:天草宝島観光協会)

キリシタンが弾圧された絵踏みが行われていた庄屋役宅に、復活の象徴となる教会を建てたいというハルブ神父の強い願いにより、﨑津教会は建てられました。
信仰の復活を示す集落のシンボルとなっています。

重厚なゴシック様式の教会の堂内は、国内でも珍しい畳敷きで、鮮やかなステンドグラスから優しい光が差し込む穏やかな空間となっています。
また、穏やかな羊角湾のそばに建つことから「海の天主堂」とも呼ばれています。
※﨑津教会の拝観には 事前予約 が必要です。

名称

﨑津教会

所在地

熊本県天草市河浦町﨑津539

公式サイト

http://sakituguidance.amakusa-web.jp/MyHp/Pub/

大江教会:美しい白亜の教会

大江教会

キリスト教解禁後、天草で最も早く造られた教会です。
現在の建物は昭和8(1933)年、フランス人宣教師・ガルニエ神父が地元信者と力を合わせて建立しました。

大江教会は﨑津教会と異なり、ロマネスク様式の教会です。教会内部では、ステンドグラスや素朴で温かみのある天井、窓の装飾などを見ることができます。

名称

大江教会

所在地

天草市天草町大江1782

﨑津諏訪神社:信仰の和合、﨑津の守り神

﨑津諏訪神社

豊漁・海上安全を願い、1647年に創建されたと伝わる神社です。
禁教時代、潜伏キリシタンはこの神社の氏子となり、参拝の際には密かにオラショ(お祈り)を唱えていました。長きにわたって密かな信仰を守るために、重要な役割を果たした場所です。

また、1805年の「天草崩れ」では、潜伏キリシタンたちが持っていた信心具を差し出すように指定された場所でもあります。
神社から見る鳥居の中に見える﨑津教会の風景は一見の価値あり!﨑津諏訪神社から﨑津教会へ続く道は「神の道」と言われています。

名称

﨑津諏訪神社

所在地

天草市河浦町﨑津505

天草市﨑津資料館 みなと屋:﨑津の歴史ある旅館を改修した資料館

天草市﨑津資料館 みなと屋(写真提供:天草宝島観光協会)

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ「天草の﨑津集落」の歴史を紹介する資料館。
﨑津エリアの歴史や、﨑津集落での生活や信仰を感じるジオラマがあり、その土地で営まれる人々の暮らしを知ることができます。

名称

﨑津資料館みなと屋

所在地

天草市河浦町﨑津463番地

天草の潜伏キリシタン関連遺産の重要性

潜伏キリシタンの歴史は、日本の信仰と文化が複雑に織り成す物語の一部です。
長崎と天草地方における潜伏キリシタン関連遺産の発見は、禁教期の日本におけるキリスト教の秘密の維持と、信仰の持続に関する新たな光を投げかけています。

これらの遺産が、世界文化遺産に登録されたことは、これらの遺産の重要性を世界に知らしめるものであり、天草や長崎地方のキリシタン関連遺産群が持つ独特の価値を強調しています。

このように、新発見の古文書は、潜伏キリシタンの歴史をより深く理解するための重要な情報源となっています。
これらの文書を通じて、私たちは彼らの祈り、生活、そして信仰に対する歴史をより深く知ることができるのです。

また、これらの遺産を訪れることで、訪問者は潜伏キリシタンの歴史とその地域におけるキリスト教の影響を直接感じることができます。

天草や長崎地方の潜伏キリシタン関連遺産の発見と研究は、日本の宗教史だけでなく、文化史においても重要な役割を果たしています。
これらの遺産は、過去と現在を結ぶ架け橋となり、私たちに歴史の多様性と深さを教えてくれるのです。