amakusa

天草で食べる春のウニ「紫うに」

2023.02.27

※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご了承ください。

#うに #豆知識

ウニといえばバフンウニが有名です。

特に北海道のエゾバフンウニは高級食材としても知られています。
バフンウニのほかに、日本で有名なウニには「ムラサキウニ」があります。

ムラサキウニの旬は一般に6~8月頃と言われています。

熊本県の天草地方では、ムラサキウニは春が旬とされています。

全国のムラサキウニとは何が違うのでしょうか。

天草の絶品うにを味わいたい方におすすめ

天草のムラサキウニ

ムラサキウニ天草で春のウニと言えばムラサキウニです。

ムラサキウニという言葉は耳にしたことがあると思いますが、首都圏などにも出回っているムラサキウニとは別種の可能性があります。

全国的に流通しているムラサキウニの多くは、北日本が主産地のキタムラサキウニです。

キタムラサキウニは晩春から夏にかけて流通し旬の季節は夏と言われています。

一方、天草のムラサキウニは3月~5月頃に水揚げされる春の味覚です。

九州では11月~6月にかけて漁が行われます。

キタムラサキウニと比べると水揚げ量が少なく、こぶりであることなどから産地での消費が多く、流通に乗ることも少なくなっています
そのため九州のムラサキウニを目にする機会も少なくなり、ムラサキウニといえばキタムラサキウニを想像しやすくなっています

天草では東シナ海に面する西海岸側で3月~5月頃にウニ漁が解禁されます。

天草市五和町のものが有名で、地元の漁師たちが素潜りで収穫します。

水深8~20mほどの岩場で獲れたウニは船の上で殻を割り、可食部を丁寧にかきだされます。

これらのムラサキウニは生ウニの瓶詰、塩漬けウニの瓶詰として流通します。

天草島外では味わえない黒紫うに

天草で味わえるムラサキウニの中には、一般的な黄色い身のウニとは違い、黒みがかったウニがあります。

鮮度が落ちているわけではなく、ムラサキウニの餌となる海藻が原因とされています。

「黒紫うに」は通常のものより粒が大きく味が濃厚であると言われています。
また、天草島外には流通しない絶品のウニとなっています。

環境と美味しさの関係

ウニも他の食材と同じく餌や成育環境によって美味しさが変わります。

栄養が少ない海であればウニは十分に育たず、味も風味も落ちてしまいます。

ウニは主に昆布、カジメなどの海藻類を食べて育ちます。

ウニは食欲旺盛で、成長期には体重の1割近い海藻を一日で食べてしまいます。

海の幸が豊富な天草の海では、天然のウニにとってエサとなる上質な海藻を食べられるので、風味や旨味が増し、身も肥えて大きく育ちます。

「黒紫うに」は餌となるカジメが原因で変色すると考えられていますが、このカジメという海藻はウニの他にもアワビやサザエなどの餌としても知られています。

ウニが苦手な人でも好きになる

寿司ネタでも人気の高いウニですが、ウニが苦手という人は少なくありません。

その理由は主に、保存料が使われているか、時間が経ってしまったウニを食べているからです。

ウニは新鮮なものであれば苦みや臭みが全くありません。

しかしウニの身は殻から取り出すとすぐに溶けてしまうほど脆いため、なるべく身が溶けないように保存料としてミョウバンが使われることがあります

ミョウバン処理されたウニは、形は崩れなくなりますが、ウニ本来の美味しさを感じにくくなってしまいます。

産地で食べる生ウニはそういった処理がされていないため、苦手だった人でも美味しく食べることができます。

ウニの鮮度

ウニ丼ウニを食べるなら鮮度の良いものを選びたいものです。

ウニの鮮度を見分ける時に気になるのが色ですが、実は色から判断することはあまりできません。

「黒紫うに」が海藻の影響で黒く変色しているように、ウニの食べる海藻の種類によって身の色は変わると言われています。

「鮮やかなものは鮮度がよく、黒ずんでいるものは鮮度が落ちている」ということにはなりません。

ですが、色が鮮やかでないものは安く売られていることもあるので、選ぶ際にお得に手に入れることができる場合もあります。

見分け方

形のいいものを買ってきてもウニの身が溶けてしまうことがありますが、これは単に傷んだり腐ったりしているわけではなく、ウニの可食部である生殖巣の性質上形を保てないことに起因します

どうしても気になる場合は火を通すなどの処理をすることをおすすめします。

ウニの美味しい食べ方

塩うにウニは鮮度の高いものを生のままで、お刺身やお寿司、海鮮丼、贅沢にうに丼にするといった食べ方もおすすめですが、塩につけたり、加熱調理したり、美味しく食べる方法は他にもあります。

塩ウニ

鮮度の高い生ウニが手に入ったら塩ウニを造るのも良いでしょう。

キッチンペーパーなどの上に生ウニを並べ、そこに塩を振ります。

その状態で水分を抜くため、キッチンペーパーを被せて冷蔵庫で30分程寝かせます。
これだけで「無添加」で美味しい特製の塩ウニを造ることができます。

保存する場合は煮沸消毒した瓶にいれておくと、冷蔵庫で1週間程度保存できます。

加熱調理

生ウニを加熱調理するのは勿体ないと感じるかも知れませんが、ウニをはじめ海鮮食品は加熱処理をすることで磯臭さをほとんど消すことができます

ウニ好きでも磯臭いのが苦手という方は加熱してみると良いかも知れません。

また、ウニの場合は甘みやまろやかさがある食材なので、よりクリーミーになります。

加熱した定番の料理には「焼きウニ」がありますが、ウニクリームパスタや蒸しウニを作ってみても美味しく食べられます

加熱する場合は、直接フライパンなどで火にかけてしまうと、ウニが溶けてくっ付いてしまうことが考えられますので、殻つきのものを火にかけたり、生クリームなどと混ぜたものを加熱したり、ひと工夫して加熱すると良いでしょう。

まとめ

天草では西海岸で主に獲れるムラサキウニ。

春の時期には「天草うに三昧」が開催されていることもあり、島内の各所で食べることができます。

第8回天草生うに三昧

第8回 天草生うに三昧
開催時期:令和5年3月25日(土)~令和5年5月31日(水)

詳しくはこちら

新鮮で美味しいウニを食べるには現地に行く必要がありますが、瓶詰などを購入して楽しむこともできるでしょう。

天草の絶品うにを味わいたい方におすすめ